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羽織とは、防寒や礼装などの目的から、長着・小袖の上から はおって着る着物
の一種で、洋服でいう、コートやスーツのジャケットと同じようなもので、
別名では、中羽織 とも言われ、この羽織を元に、半纏はんてん や法被(はっぴ)
が生まれたといわれています。
構造・造り
大まかに言うと、袖そで と、身頃みごろ と 襟えり で構成されていて、
長襦袢(ながじゅばん)や肌襦袢(はだじゅばん)と同じように、衽おくみ がないことや、
わき腹あたりの、前身頃(まえみごろ)と後身頃(うしろみごろ)の境目さかいめ
に 襠(まち) があるのが特徴とも言えます。
(※襠まち とは、布幅にゆとりを持たせるために補う布のことをいい、
他に、袴(はかま)の内股うちまた にもあるものです。)
また、前身頃(まえみごろ) を重ねることが出来ない、
短い造りになっているので、前を紐で結ぶ点が特徴といえます。
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※ ⊃ ⊂ = 乳(ち) という。留め金具に引っ掛ける輪っかの布、
または金具のこと。
(ちなみに、乳ち〜袖の一番上 までの直線距離のことを、乳下がり という。) ※ γ = 羽織紐(はおりヒモ)
※ ∽ = S字の鐶かん (=S字鐶) という 金具。
羽織紐(はおりヒモ。※γ) は結んで使うのですが、
専用のS字鐶が付いている このタイプは、初めから結んであります。
羽織紐(はおりヒモ)の ヒモの両端にも、乳(ち) のような
S字の鐶かん (=S字鐶) を引っ掛けるための輪っかがあり、
その輪っかと、乳(ち) に S字鐶(※∽) をそれぞれ引っ掛ければOKです。
専用のS字鐶が付いていなくて、羽織紐(はおりヒモ。※γ)
を自分で結ぶタイプで、羽織紐(はおりヒモ。) の両端の輪っかが
【 例 1 】 の輪っかより大きく、その輪っかを 乳(ち) に 通して、
通った後の羽織紐のほうの輪っかに羽織紐の本体を通して付けます。
羽織紐は、通常は、専用の羽織紐(はおりひも) を装着するのが一般的ですが、
おしゃれな人は、この羽織紐(はおりひも) を場所やシーンによって変えます。
羽織の語源
羽織 という字は当て字で、元は、着物を はおる が変化したもの
といわれています。どこのご家庭のお母さんでもよく使う、
「寒いから一枚羽織はおって行きなさい!」
のあの「羽織はおる」から来ているとされています。
羽織の歴史
羽織が登場する前からの類似品には、胴服(※陣羽織じんばおり )や、
十徳羽織(じっとくばおり) 等があり、羽織の起源はいろんな説がありますが、
その起源の1つとして、約1300年代〜室町時代後半あたりから羽織(はおり)
を着るようになったと言われる説があり、その以前には、打掛(うちかけ) と、
寒い戦場でも鎧よろい の上から着ることの出来た陣羽織じんばおり があっただけ
といわれており、これら2つは、外套がいとう(※洋服で言う、
オーバーコートのこと。) にあたり、寒いときにだけ着られていました。
これが、室町時代〜はオシャレとして、防寒着以外にも着られ、
普段の挨拶のときにも、わざわざ羽織を着るようにもなったといわれ、
だんだんと現在のような形が一般的になっていったとされ、また、
これは、ヨーロッパでの上着の歴史と似ているともいわれています。
(※ ヨーロッパで上着とズボンが分かれるようになり、頭からかぶらなくなり、
防寒着からオシャレ着としたり、挨拶でわざわざ、という点なども
このぐらいの時期とも言われています。)
十徳羽織(じっとくばおり) ※十徳(じっとく) ともいう。
現在は、茶道で着られ、羽織紐が直に縫い付けてある羽織で、
昔は、下級の武士が着た、脇わき を縫った素襖すおう のこと、
また、長着(ながぎ) の上からはおる黒い色の外衣
(※ コート) の一種のことで、羽織に形は似ていますが、
生地が独特の仕立てになっており、別名は、広袖(※小袖の反対。)とも呼び、
江戸時代〜は、医師や僧侶、儒者、絵師などにおいて平服から正装になりました。
羽織の由来
安土桃山時代あづちももやまじだい
【=織豊時代しょくほうじだい とも。1568年〜1598年(※または、1600年)】
あたりから、寒い戦場でも鎧よろい の上から着ていた 陣羽織じんばおり が、
日常でも、その便利さから防寒着として着られるようになったのが始まり
とされており、この頃は、胴服 といわれ、戦場で着たことから
男性の着物として着られていました。
この胴服は、当時の礼服としてのランクでいうと、普段着の扱いだったので、
将軍さまの前で着る直垂ひたたれ や、大紋だいもん 、素襖すおう、
そして、裃かみしも(※士分の制服。) より下にあたりました。
一方、女性の着物での防寒着は、羽織を着ることもあった一時期を除いては、
打掛(うちかけ) が着られていて、これが現代でも続いており、いまだに
女性の正装として認められていません。(※黒紋付羽織を除く。)
この一時期、女性に羽織が流行って着られていた時期の中に、明治時代以降
があり、特に羽織の丈、長さが流行によって変わり、明治時代〜大正時代は、
膝下まである 長羽織ながばおり が、そして昭和30年代は、
着物の帯(おび) が隠れるぐらいの短い羽織が流行りました。
ですが、その後、着物(きもの)人気の減少とともに
羽織も作られなくなっていきましたが、再び近年のアンティーク着物ブーム
によって、長羽織などが徐々に着られるようになり、
羽織の種類
紋付羽織(もんつきはおり) 紋羽織(もんばおり) とも。(※ 着物の紋)
紋付袴の礼装用の紋がついた羽織のことで、礼服のランクは高い順に、
正礼装では、長着と同じく、5つ紋、続いて、3つ紋、1つ紋となります。
さらに5つ紋は、黒羽二重染め抜き5つ紋つきの紋付羽織が1番正装とされ、
結婚式で新郎として、よく着られております。
黒紋付羽織
男性の紋付羽織(もんつきはおり)のように、黒一色で、背中側に
石持ちこくもち家紋 を一個だけ染めた羽織のことをいい、
明治時代〜昭和50年代あたりの間で、どんな着物でも
これを羽織れば礼装になることが既婚の女性に受けて、広く使われましたが、
今ではほとんど見ることがない羽織です。
この服が広まった理由として、江戸時代に黒一色で五つ紋が入った
色無地(いろむじ)が、庶民の間では喪服(もふく) ではなく
礼服として使われていたからと考えられています。
十徳羽織(じっとくばおり)
茶羽織(ちゃばおり)
一般的に綿、ウールなどで出来ている、普通より丈が短い羽織で、
丹前などの上から羽織るなど、家で寒いときなどに着る羽織のことであり、
茶道用ではありまん。
また、この羽織紐(はおりひも) は、羽織に直に縫い付けてあり、
羽織と同じ布で出来ているのがほとんどです。
中羽織(ちゅうばおり)
膝上、太ももあたりの丈の長さのもののことをいい、単に羽織 をいうときの名前。
袖なし羽織 = 袖のない羽織
本羽織 = 長羽織ともいい、反物を一反使って作ります。
夏羽織 = 生地が透けて見える絽(ろ) などの羽織のこと。
額裏(がくうら)
羽二重や縮緬などの正絹が素材によく使われる、
額縁がくぶち の中のキレイな絵のような裏地うらじ のことをいい、
羽裏(=はうら※羽織の裏地に使う布)の一種で、男性用で使われます。
羽二重(はぶたえ)
羽織によく使われる、多く平織りとした後(あと)練りの絹織物のことで、
縦糸・横糸に質の良い撚(よ)りのない生糸が使われています。つやがあって
肌触りがよいのが特徴で、他に羽織裏や礼服・胴裏地などに使われます。
※ 関連コーナー
着物の知識 着物の特徴 着物の名称 着物の着付け 着物の歴史
男性の着物 女性の着物 子供の着物
着物の紋 紋服 紋付羽織袴
着物の生地
着物の襟(えり) 身頃(みごろ) ※前身頃(まえみごろ) 後身頃(うしろみごろ)
着物の袖 − 振袖(ふりそで) 留袖(とめそで) 筒袖(つつそで)
元禄袖(げんろくそで) 小袖(こそで) 広袖 −
着物の袂(たもと) 衽(おくみ) 着物の裾(すそ) 八つ口(やつくち)
着物の柄(がら) 色無地(いろむじ) おはしょり(お端折・御端折) 市松模様
着物の帯(おび) 着物の帯の種類 帯板(おびいた)、帯締(おびじめ) 腰紐(こしひも) 伊達締め(だてじめ)
着物の髪型 結婚式の着物(髪型) 文金高島田(ぶんきんたかしまだ)
肌襦袢(はだじゅばん) 長襦袢(ながじゅばん) 長着(ながぎ) 帯(おび) 袴(はかま) 羽織(はおり) 足袋(たび)、草履(ぞうり)、下駄(げた)
シーン別 : 成人式の着物 結婚式の着物 花嫁衣装
結婚式の二次会の着物 着物のお手入れ
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